病院やクリニックでのニキビ治療 いったいなにがおすすめ?
- 治すためのニキビケア
- 皮膚科医 横山先生
生活習慣やスキンケアにいくら気を使っても治らないニキビ。そのニキビには、病院やクリニックでの治療が必要かもしれません。自己判断で、ニキビを放置したり、間違った対策を行っていると、ニキビが悪化してしまったり、アトとして残ってしまうこともあります。そうなってしまうと、あとの治療がたいへんになってしまいますので、早めの対応が重要です。
とはいえ、病院やクリニックに行くのは、「どんな治療をされるのか」「本当に効果があるのか」など、不安に感じている方も多いと思います。病院やクリニックでのニキビ治療は、重症・軽症にかかわらず、ニキビを早く治すために有効な手段であり、意外と簡単にできるものもあります。
ここでは、病院やクリニックでのニキビ治療を検討されている方のために、その治療方法についてご紹介していきたいと思います。なお、治療方法は、かかる病院やニキビの症状によって変わることがありますので、参考までにご覧ください。
皮膚科|外用薬(塗り薬)によるニキビ治療
皮膚科におけるニキビ治療のひとつに塗り薬があります。基本的にはすべて保険適用です。代表的な塗り薬は下記のようになります。
- 抗生物質
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ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を阻害し、抑える強い抗菌作用を持った抗生物質が処方されます。ただし、抗生物質が適用となるのは、炎症を起こして、はれ上がっている赤ニキビのみとなります。
抗生物質は、ニキビを治すというよりは、アクネ菌に対する強い抗菌作用で炎症を止める効果があります。
- 抗炎症剤
- 赤ニキビや黄ニキビの炎症やはれを抑える塗り薬です。ニキビの悪化を防いだり、痛みを抑えたりする効果があります。
- ニキビ治療の新薬
- 最近登場した新薬には、アクネ菌の殺菌力に加えて、ピーリング作用により毛穴のつまりをなくすことで、ニキビ治療に高い効果が期待できるものもあります。
皮膚科|内服薬(飲み薬)によるニキビ治療
皮膚科でのニキビ治療では、飲み薬を処方される場合もあります。塗り薬と同様、基本的に保険適用となります。
- 抗生物質
- 赤ニキビの炎症が重度になってしまったときは、内服薬による抗生物質治療を行う場合があります。
- ビタミン剤
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過剰な皮脂の分泌を抑えるため、ビタミン剤が処方される場合があります。
ビタミン剤の種類によって、肌の健康や粘膜の状態を健康に保つなど、効果はさまざまです。
<おもなビタミン剤>- ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC など
- ホルモン剤
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ニキビが、ホルモンバランスの乱れからくる過剰な皮脂の分泌が原因と診断された場合は、ホルモン剤による治療が行われることがあります。
<おもなホルモン剤>- 低用量ピル など
- 漢方
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漢方による治療は、「ニキビのできにくい体質へ変えていく」という体質改善を目的としたもので、即効性があるものではありません。
さまざまな治療を行っても、なかなかニキビが治らないような場合には、漢方薬を処方される場合があります。
<おもな漢方>- 清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)
- 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
- 十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ) など
クリニック|施術によるニキビ治療
クリニックでは、施術によりニキビを治療します。保険適用外のものが多いですが、場合によっては保険適用となる施術もあります。
- ケミカルピーリング
- ケミカルピーリングは、薬剤を肌の表面に塗り角層をはがす、保険適用外の治療方法です。毛穴の汚れを取り除き、ニキビやニキビアトの色素沈着、くすみの改善などに使用されます。
ニキビ治療においては「ビタミンイオン導入」といっしょに施術されることが多いです。
- ビタミンイオン導入
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ビタミンイオン導入は、ビタミンCやビタミンA、ビタミンB5など、さまざまなビタミンを含む薬剤に電気を流すことで、肌に高濃度の薬剤を浸透させる、保険適用外の治療方法です。
成分を塗っただけの場合と比べて、30~100倍もの浸透力があるといわれており、肌の奥へと成分を届けることができます。その効果は、しみやくすみの除去、美白、ニキビ予防などがあります。
ニキビ治療においては「ケミカルピーリング」といっしょに施術されることが多いです。
- レーザー治療
- 保険適用外となるニキビのレーザー治療は、いくつか種類があります。中でもポピュラーな治療方法は、肌の奥深くまでレーザー光を届け、コラーゲン生成を促して肌を再生させるというものです。レーザー治療は、シミやシワ、たるみはもちろん、クレータータイプのニキビアトにも効果のあるものなど、使用する機械によって効果はさまざまです。医師としっかり相談をしてから行うことをおすすめします。
- 面皰圧出
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面皰(めんぽう)圧出は、「コメドプッシャー」という器具を使用して、白ニキビや黒ニキビの中にある皮脂や膿を取り除き、炎症を抑える治療方法です。ニキビの悪化やニキビアトを最小限に抑える効果があります。
こちらの施術は、保険が適用されます。
- ニキビ注射
- ニキビの中でも重症な「囊腫(のうしゅ)性ニキビ」は、ニキビアトが残ることがありますので、クリニックでは治療薬の局所注射をおすすめする場合があります。2~3週間隔で、数回注射を行う場合が多いです。
ニキビを根本的に改善するなら・・・おすすめは薬!
ニキビは誰もが一度は経験するであろう、身近な肌の病気です。クリニックでの機械を使用したニキビ治療は、即効性が高いものが多く、治すには手っ取り早いのですが、根本的な解決ができていないと、再発する可能性が高いのです。
やはり、美肌を目指したニキビ治療をするのであれば、根本的な解決ができる薬での治療をおすすめします。のちのことを考えた治療方法を選ぶことで、ニキビのない美肌を取り戻すことができますよ。
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