放っておくと危険!! 絶対に作りたくないニキビアト
- ニキビについて知る
- 治すためのニキビケア
- 皮膚科医 横山先生
ニキビアトができるまえに、必ずできるのがニキビ。
ここではまず、ニキビアトができるまでの一般的なメカニズムを見ていきます。
- 白ニキビ発生
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ホルモンバランスの乱れや間違ったスキンケア、紫外線、ストレス、生活習慣などが原因で、皮脂が過剰分泌され、毛穴が詰まります。
角栓が詰まって毛穴がふさがると、白く盛り上がった「白ニキビ」ができます。
- 黒ニキビ発生
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角栓が空気で酸化し、中央が黒ずむと白ニキビが「黒ニキビ」になります。
- 赤ニキビ発生
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さらに角栓に皮脂がたまり、炎症を起こすと「赤ニキビ」ができます。
- 黄ニキビ発生
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赤ニキビを放置したり、間違った対処をしたりすると、ニキビが膿を持ってしまう「黄ニキビ」になります。
- ニキビアト発生
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黄ニキビになると、アクネ菌誘発の炎症が毛穴の深部の細胞壁を破壊します。この状態で洗顔などで強く肌をこすったり、強い刺激を与えてしまうと、ニキビアトができやすくなります。
種類別に見るニキビアトができる原因
ニキビアトとは、ニキビの炎症により周囲の組織がダメージを受け、炎症後の色素沈着のみならず、瘢痕を形成してしまうような状態のことです。ニキビが同じところに何度もできてしまい、その炎症でダメージが深くなり、ニキビが治ったとしてもニキビアトとして残ることが多いのです。
ニキビアトの種類はおもに4種類あり、その種類によって適切な対処法も変わってきます。
- ニキビ跡の種類:赤み
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ニキビ自体は治り、盛り上がりはないのですが、肌に赤みが残ってしまった状態です。
ニキビの炎症により肌がダメージを受けると、修復するために毛細血管がたくさん作られます。そのたくさんの毛細血管を流れる血液が、皮膚に赤みを出してしまうのです。
炎症によって肌がダメージを受けて薄くなっているため、赤みが目立ちます。
- ニキビ跡の種類:赤黒い色の色素沈着
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ニキビ自体は治り、盛り上がりはないのですが、赤黒い色がシミのように残ってしまった状態です。
ニキビの炎症や化膿によって、毛細血管が破壊されて出血が起こります。出血により血液中の「ヘモジデリン」が色素沈着してシミになりますが、この出血のアトの多くは自然に治ります。
- ニキビ跡の種類:茶色い色の色素沈着
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ニキビ自体は治り、盛り上がりはないのですが、茶色い色がシミのように残ってしまった状態です。
ニキビの炎症後は、「炎症後色素沈着」といって、肌を守るためにメラニンが過剰に生成されてしまいます。ニキビによって細胞が破壊されている状態では、肌のターンオーバー(新陳代謝)が遅くなるため、メラニンが過剰に残ってしまい、茶色い色素沈着としてシミになります。
- ニキビ跡の種類:クレーター
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黄ニキビが悪化し、肌にクレーターのような凸凹なものが見られる状態です。
これは、ニキビの炎症によって、肌の深部までダメージが及んでしまったことが原因です。ニキビアトがクレーターの状態になってしまうと、瘢痕組織に置換されているので、自宅でのケアは不可能です。
ケロイド体質の方に多く見られる症状ですので、該当する方は特に注意が必要です。
- ニキビ跡の種類:しこり
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ニキビが治ったあと、しこりのように肌が硬く盛り上がっている状態です。
ニキビの炎症や化膿が進み、肌の深部までダメージが及び、それを修復しようとする働きが原因です。乱れた修復機能が、コラーゲン繊維を過剰に生成してしまい、皮膚がしこりのように硬くなってしまいます。
種類別に見るニキビアトの対処法
ニキビアトは一度できてしまうと治るのに時間がかかり、精神的にもつらいものがあります。種類によっては、自宅ケアではニキビアトが治らないこともあるのです。
ニキビアトができてしまった場合は、下記の種類別対処法で、できるだけ早いケアが必要になります。
- ニキビアトの対処法:赤み
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赤みの対処法は、「ターンオーバーを正常に戻す」「保湿を行う」という、基本的な2つのケアが重要になります。
ターンオーバーの周期は正常な場合、約28日といわれています。これを正常に戻すためには、規則正しい生活を送ることが重要です。まずは睡眠時間ですが、体質にもよりますが7時間は取るように。そして、偏った食生活はNGです。特に肌に良いとされるビタミンは、バランス良く摂取するようにしたいものです。適度な運動も行うことで新陳代謝が良くなり、肌にもとても良い効果が生まれますよ。
保湿を行うには、ビタミンC配合の化粧水を使って、保湿を続けることが重要です。ビタミンCには皮脂を抑える効果があり、コラーゲン生成には欠かせない栄養素です。特に、肌の角質層への浸透力が高い、「ビタミンC誘導体」を配合した化粧水を使用すると効果的です。
- ニキビアトの対処法:赤黒い色の色素沈着
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赤黒い色素沈着は、「赤み」のときの対処法と同じです。
ビタミンC誘導体を配合した化粧水を使い、たっぷりと保湿します。ターンオーバーの促進には、生活習慣の見直しも重要ですが、ピーリングも効果的です。
さらに、日焼けをしないようにUVケアは入念に行うといいですよ。
- ニキビアトの対処法:茶色い色の色素沈着
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茶色い色素沈着は、すでにシミになっている状態です。
ニキビは色素沈着した状態になっていても、新しいニキビが発生してしまうことが多いので、クリニックで基本的な治療が必要となる場合もあります。
色素沈着の治療としては、自費診療になりますが、美白剤の外用や美白点滴、ピーリング、光治療なども行われています。
- ニキビアトの対処法:クレーター
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クレーターになってしまった場合は、自宅ケアで治すことができません。クレーターの治療は難しくなりますが、クリニックではおもにレーザーやピーリングによる治療が行われます。
治療期間を短くするために、ビタミン剤の服用や自宅でのピーリング、ビタミンC誘導体の化粧水で保湿するなど、同時に自身でケアすることもおすすめです。
- ニキビアトの対処法:しこり
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しこりになってしまった場合も、クレーター同様、自然治癒や自宅ケアで治すことができません。クリニックでの治療になりますが、保険適用のステロイド注入、自費でのレーザー治療などがあります。
自宅でも、しこりに対して刺激を与えない、ターンオーバーに必要な栄養摂取を心がける、新しいニキビを作らないように生活するなど、クリニックと同時進行で対応する必要があります。
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