漢方でニキビを治療！ 気になる副作用と効果は？

大人ニキビは思春期のニキビに比べ、「カラダの内側」に原因があることが少なくありません。
食生活の乱れや寝不足、ホルモンバランスの乱れ、加齢による新陳代謝の衰えなど、さまざまなことが原因で大人ニキビができてしまいます。大人ニキビを解消するには、カラダの中にある原因を見つけ出し、改善していくという対策が最も有効です。
内側からの対策として、最近では「ニキビを漢方で治療する」という方法が注目を集めています。皮膚科でも、ニキビに対して漢方を処方することが増加しており、その信頼は確固たるものになりつつあります。
漢方は体質の改善を図るために服用するものですが、まったく知識のない方にとってはハードルが高いものかもしれません。漢方に興味はあるけど、なかなか手を出せないという方も多いのではないでしょうか？
ただし、ニキビで悩んだときに、漢方の基礎知識だけでもわかっていれば、自分に合った漢方を選択することができ、治療を早めることができるはずです。

そもそも漢方ってなに？西洋の薬との違いについて

そもそも漢方は、「自然に沿って生きること」という考えを持っています。自然の薬草の葉や根、茎や動物、鉱物から取った生薬を、決められた分量で2種類以上組み合わせられて作られたものです。漢方医学に基づいて、治療効果のある医薬品として正式に認められていますので、現在では病院での処方が可能となりました。
漢方の効能としては、カラダやココロのバランスをコントロールしながら、あらゆる不調を整えて体質改善を促すというものです。日本では西洋医学に信頼を置く患者さんが多いかもしれませんが、症状が改善できなかった場合、漢方医学が使用されることがあるぐらい、漢方は健康を守るために欠かせない「医薬品」となっています。
では、西洋医学と漢方医学は、いったいなにが違うのでしょうか？おもに西洋医学では、その症状に着目して直接的な治療を行いますが、漢方医学はその原因に着目し、根本から体質改善を図り、間接的な治療を行います。どちらも患者を治すという目的は変わりませんが、その症状に対してのアプローチが変わってくるのです。

漢方でホルモンバランスを整え、ニキビのできにくいカラダへ

漢方医学の根本にあるのが、その症状に対して体質を改善させることにあります。特に「皮膚は内臓を写す鏡」といわれるように、ニキビとカラダの不調は深く関係しています。 では、どのようにして漢方がニキビに効果を表すのか、順を追ってご紹介いたします。

1. 漢方医学においてニキビなどの炎症は「熱」と捉えられ、基本的にはその余分な熱を抑えることを目的にした治療を行います。
2. 具体的には、ニキビの色（白・黒・赤・黄）や炎症の度合い、できた部位などから判断し、それに合った漢方薬を服用します。
3. 漢方治療は体質改善を目的とするため、長期にわたって服用することが必要です。忘れずに毎日飲み続けることが、ニキビの根本治療に効果を発揮します。

漢方の効果を簡単に説明すると、「ホルモンバランスを整え、皮膚の免疫力を高め、ニキビのできにくいカラダへ導く」ということになります。

漢方は自然なもので作られているから、副作用がまったくなくて安心!?

実は漢方にも、副作用があります。
自然の恵みを使用しているといっても、あくまで「薬」。「漢方薬」ということを忘れないでください。
ですが、副作用に怯える必要はありません。西洋薬に比べて漢方は副作用がグッと少なく、毒性や不都合な作用は極限まで抑えられて作られています。
そんな副作用の少ない漢方ですが、種類によってその症状も異なります。一般的な漢方の副作用としては、食欲不振、熱が出る、むくみ、動悸、不眠、血圧上昇などが挙げられます。ただし、体質によっては重い副作用が出ることもありますので、なにか異変を感じたら、すぐに医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

大人ニキビにはどんな漢方が効果的？

大人ニキビによく用いられる漢方には、次のようなものがあります。

• 清上防風湯（セイジョウボウフウトウ）
• 当帰芍薬散（トウキシャクヤクサン）
• 桂枝茯苓丸加薏苡仁（ケイシブクリョウガンカヨクイニン）
• 十味敗毒湯（ジュウミハイドクトウ）
• 排膿散及湯（ハイノウサンキュウトウ）
• 荊芥連翹湯（ケイガイレンギョウトウ）
• ハトムギ（ヨクイニン）

漢方は、ニキビの症状や体質によって、処方が異なります。例えば、赤く炎症したニキビには「清上防風湯」、過労や栄養不足が原因の場合は「当帰芍薬散」、生理前に繰り返すニキビには「桂枝茯苓丸加薏苡仁」などが良いとされています。
大人ニキビに合わせた商品も市販されていますので、気になる方は薬局で相談してみてはいかがでしょうか？